美味しそうなものを
目の前にするとお腹がなったり
よだれ(唾液)が口の中で増えたりしますね。
それってとても健康な証拠です。
今日は知っているようで意外と知らない
「食べ物の通り道」について。
読みやすいように前編と後編の2回に分けます。
当然ながら、ものを食べるとまず噛むことで食べ物を
細かくします。
噛むことにより、消化酵素のアミラーゼが分泌され
(唾液の中に含まれている)でんぷんなどの
糖の消化分解が始まります。
なので噛むことってとても大事なのです。
昔に比べ、今は食べやすい硬さのものが多く
咀嚼をほとんどせず飲み込んでいる方も
少なくないはずです。
お口の中からすでに消化は始まっているのです。
そして噛むことで脳が刺激されますから
ボケ防止にもなることでしょう。
話は少しそれますがアミラーゼと聞くと
ピンと来る方もいらっしゃるかと思います。
食べ物の中にもアミラーゼを多く含むものがあります。
代表的なものは大根です!
今旬ですね〜
大根と一緒にとると消化に良い
と言われるのはこのような理由です。
お餅(=でんぷん)に大根(=アミラーゼ)絡めて食べるのは
消化に最高に良い組み合わせです!
さて話を戻すと口の中で噛み砕かれた食べ物は
食道を通り次に胃にたどり着きます。
胃の主な働きは胃液と蠕動運動による食べ物の「消化」と
その後流れていく腸に少しずつ流すための「貯蔵」です。
胃液の大切さは以前の記事でも書いていますが、
胃液分泌を抑える胃薬を頻繁に飲んだり、
軽い症状なのに飲み続けることはオススメしません。
食べ過ぎ飲み過ぎによる胃もたれなら、
胃の粘膜を保護するような胃薬の方が良いかもしれません。
その後胃から送り出された食べ物は
小腸の入り口にあたる十二指腸で、
胆汁と膵液という消化液に混ざり合います。
この2つの消化液によって、本格的に消化が
進んでいくのです。
胆汁は肝臓でコレステロールを原料に作られる黄色透明の液体です。
胆汁の主成分である胆汁酸は脂肪を分解してくれるので
体内の洗剤のような役割を果たします。
例えば焼肉屋さんに行ってたくさん油が洋服に
飛んでしまったとしましょう。
水洗いでは油汚れは落ちないけど、洗剤を使って落としますね。
胆汁酸は油(脂肪)を分解してくれるのです。
もう1つの消化液である膵液は膵臓から
分泌されます。
脂肪だけでなく、糖質、タンパク質の分解に関わる
優秀な消化酵素も含まれています。
この2つの消化液の働きによって
食べたものはより細かな成分へと分解されていき
小腸で吸収できる形に準備していくのです。
小腸からは後編で書こうと思います。
まとめると
ー 口では噛み砕き、糖を分解する消化酵素であるアミラーゼの分泌
ー 胃では、糖とタンパク質を分解する胃液の分泌と貯蔵。少しずつに分けて十二指腸に送ることができる
ー 十二指腸通過時に消化液である胆汁と膵液によって、食べ物(糖・タンパク質・脂質)はおかゆ状のドロドロに分解される
残念ながら胃液や胆汁、膵液は意識して分泌を増やしたり減らしたりの
コントロールはできません。
でも私たちができることといえば、
よく噛むこと。そして消化に良い食べ合わせを選ぶこと。
消化されやすいものや消化を促す消化酵素を持ち合わせた
食材を一緒に体に取り入れることで
胃もたれを防げたり、飲む必要のない胃薬が不要になったり。
悪くなったから何かを追加してその場を対処するのではなく
悪くなる原因を突き止めて、それを避けることも
大切です。
次回は小腸以降の仕組みや働きに関して
書いていこうと思います。
今日もポカポカ陽気。
素敵な秋の午後を!
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